本書では、ハイパーメディアシステムとは、World Wide Web のことであると定義づけられている。本書で語られるのは、ロイ・フィールディング博士の論文 REST as a network architecture に忠実なシステムアーキテクチャーであり、近年の Web アプリケーションアーキテクチャーとは対照的であるが故に、非常に興味深く読み進めることができた。
ハイパーメディア、RESTful に再フォーカスし、宣言的なドキュメントの力で、ユーザーエクスペリエンスの高いユーザーインターフェースを実現する過程を見ることができる。
具体的な話は、htmx と呼ばれる JavaScript ライブラリの紹介とあわせて、Contact.app という連絡先管理サンプルアプリケーションの実装例を見ながら進む。また、同様の思想で開発された Hyperview と呼ばれる開発キットを利用することで、モバイルアプリの実装まで解説されておりとても面白い。
近年のフロントエンド疲れへの皮肉が見え隠れしつつ、個人的にはとても好みで試してみたいと思える技術スタックだった。
英語で500ページ以上あり、読み切るのに2週間ほど掛かってしまったが、おすすめできる。
仕事で Rails を利用する機会が増えたので、Rails のコードに親しみを持って接することができるようになるべく、本書を手に取った。
分量のある本では無いが、内容は濃く、理解するためには、手元で irb などを使って実際の挙動を確認する必要があり、読み終えるまでに1週間強掛かった。
特に、特異クラス、クラス、 オブジェクトの継承関係はなかなかに混乱した。(整理するために図を書いた。ただし、この図に特異クラスは表現されていない)

あわせて、Rubyソースコード完全解説の第1章 Ruby言語ミニマムを見るとより理解が進んだ。とても参考になった。Ruby の、現実世界を表現したようなオブジェクト指向な世界は美しく、知ることができて非常に満足している。