Yusuke Hatanaka

July 1, 2024

This month I read. Jun, 2024


洋書や、OSS の GitHub Issues など、もっと効率的に英文を読めるようにならないと辛いという感情が定期的に訪れる。昨今は LLM を活用することで読みやすくなったと言えなくもないが、やはり自分で見てそのまま理解できる速さに及ばない。そこで、2017年に購入し、挫折した本書を再び手に取った。
やはり自分にとってはとてもタフな本であることに変わりはなかったが、今回は1ヶ月、毎日朝45分ほど読み続けることに成功した。本書では、暗記せよと指示される内容が多々あり、一度読んだくらいではとても暗記出来ない。とりあえず、毎朝読み続けて周回を重ねてみることにする。


今更ながら、原典を読んでいなかったので手に取った。本書 2nd エディションが10年前、1st となると15年も前。もっとプログラミング活動に対するプラクティスの本だと思っていたが、人やコミュニケーションに関する内容が多いことが意外だった。
現代の、特にWeb開発の現場において、本書の内容が真新しく映ることはないが、普段の開発を思い返しながら、改めて振り返るよう読み進めることが出来た。現代のソフトウェア開発に、大きな影響を与えた本ということがわかる。


START/FM で紹介されていたので読んでみた。
特に人間関係において問題を抱えているわけではないという認識だったが、本書からはまるで平手打ちのような衝撃を受けた。
本書では、自己欺瞞に陥ることを箱に入っている状態と表現している。箱に入ってる状態が引き起こす様々な問題について、ストーリー仕立てで具体的な例が紹介される。自己欺瞞は、それを正当化するよう思考が束縛され、自分は正しい、相手は間違っている、と歪んだ認識を生み出してしまう。誰もがそういった経験が思い当たるのではなかろうか。しかし、実は身の回りで起こる問題その全ての原因が、自分にあると認識させられる。面白かった。


社内でおすすめされていたので読んでみた。
前半は、経験、知識、スキルといった表面的な階層だけでなく、コンピテンシー(行動特性)、ポテンシャル、ソース・オブ・エナジーといった、より深い人間性を見極めましょうという解説がされる。
コンピテンシーについては、変革志向、成果志向、戦略志向のうち、どの傾向が強いかを見る、であったり、ポテンシャルについては、好奇心、洞察力、共鳴力、胆力のうち、どの傾向が強いかを見る、といった具合に形式化されている。ソースオブエナジーは、その人の生きる哲学に近く、使命感や劣等感がポジティブに働くケースとして紹介されており、興味深い話だった。
その後、具体的なインタビュープラクティスとして、アイスブレイクや椅子の座り方、質問の仕方などが続く。後半は、EVILで優秀な人を見分けるコツが少しと、著者の人を見る哲学が語られるという内容。
個人的には、著者が書いたとされる、インタビュー後のエバリュエーションレポート例に学びがあった。


ダムや高速鉄道、原子力発電所といった、大規模プロジェクトがなぜ失敗しがちなのか、成功させるために必要なことは何であるかが語られた本。
エピソードは、終始、失敗するのは計画が足りないからという理由に帰結する。計画に時間をかけ、実行は素早く、とは、直感的には逆のイメージを持った。リーンスタートアップ的には、素早く実行して顧客フィードバックを得ることが重要だからだ。
しかし、対象が大規模プロジェクトとなると話は違ってくるようだ。なぜなら、大規模プロジェクトの実行フェーズは不可逆なことが多く、計画フェーズと比較し、必要なコストが莫大となる。そして、長期のプロジェクトでは、予測が難しい問題が発生する可能性が相対的に高まる。つまり、計画時のシミュレート(デジタルツイン)が重要であり、怠った場合には、納期超過、予算超過を生む。しかも、この手のプロジェクトは、途中でコストを回収することができない。
このようなプロジェクトの見積もりは、どのように進めるべきか。本書では、過去の類似プロジェクトをそのまま参考にするのが精度面で最も信頼でき、あなたのプロジェクトは何も特別ではないという、興味深く、納得感のある示唆があった。
また、このような難易度の高いプロジェクトには、経験者(マスタリー)が欠かせないことも言及されており、経験者の直感も含め、経験則が効果的であることを、統計的に示した面白い内容があった。おすすめできる。

MVP(Most Valuable Publication)

About Yusuke Hatanaka

I'm working as a software engineer in Japan. I like reading, watching basketball game, and fishing. 
Not only the fact oriented but also intuition.