Shoho Kozawa

September 23, 2025

子供に毎日5問算数の問題を出題するウェブアプリを作った

今年から、10歳の娘と新しい取り組みをしています。

まず、AIが毎日5問の算数問題を出題し、子供にメールで送られます。子供はそれをノートに解き、終わったら写真を撮ってWhatsAppで私に送ります。それを受け、私もAIで解説を生成してメールで送っていました。

ただ、この方法の課題もいくつか見えてきました。例えば、解説を送り忘れたり、私が夜に飲んでいると子供が問題を解いていなくても気づかなかったり。

ということで、これらの課題を解決するために、新しいウェブサービスを開発しました。

logo.png


このウェブアプリは、

  1. 毎日5問だけ算数の問題と、その詳しい解説が生成される
  2. 子供はノートに問題を解いて、そのページをアップロードする
  3. アップロードしたら正解と解説が表示されるので、それをみながら自分で丸つけして「あっていた」「まちがっていた」をチェックする
  4. 丸つけしたノートもアップロードすると、その日の学習が完了となり、親へメールで通知が届く

というシンプルなものです。


カレンダーページや、学習履歴ページを作って、毎日の努力を可視化できるようにしたり、設定した学年によって問題の難易度や解説のときのトーンを変えたり、いろいろと自分なりにいろいろと工夫しています。

もちろん一番工夫したのは回答を生成するプロンプトで、まあ色々試行錯誤していまの形に落ち着きました。


エンジニアっぽい話

今回、なぜ久しぶりにこういうのを作ってみようと思ったかというと、最近流行りの Vibe Cording を試してみたかったっていうのもあります。CodeX とか Claude Code、あとは Gemini といろいろな AI サービスを試してみて、自分で肌感覚を持ちたかったからです。

実際に使ってみると、CodeX と Claude Code は若干思想が異なっていて、CodeX はエンジニアにタスクをぽいっと投げると作ってくれて、GitHub に Pull Request まで投げてくれるので、ソフトウェア開発を外注している気分です。一方で Claude Code はどちらかというと、一緒にペアプロしてくれるみたいなイメージで、1つ1つ確認しながら一緒に開発しているイメージです(もちろん設定によって変えられるんでしょうが)。このあたりのニュアンスもなんとなくは聞いていたものの、聞くだけなのと、実際に使ってみるのとでは雲泥の差です。

あとは開発環境として VS Code や Cursor なんかも、遅ればせながらいろいろと試してみました。Cursor はめちゃめちゃ便利ですが、結局 Claude Code や CodeX、Gemini CLI を Terminal から使うなら課金しなくてもいいかも?と思い始めて、最近は結局 VS Code を使っています。

構成は、こちらも今更ですが Firebase と Google Cloud を勉強して自分でウェブサーバーやデータベース、ストレージを準備しなくていいようにしました。Firebase っていままで何かさっぱり分かってなかったですが、実際に使うと「こんな便利なものが!Google 様マジでありがとう!」と感動しました。

N=1 の反応

このアプリのユーザは1名しかいません。娘です。ラッキなーことにユーザーが常に横にいるので、

「今日はどうだった?」
「どういう機能が欲しい?」
「なんか変なところなかった?」

と、毎日ユーザーテストをしています。

「顧客が本当に欲しいものを我々はわからない」というのはその通りだなと思っていて、いま彼女が一番求めているのは「壁紙をかわいい写真にする機能」だそうです。「そんなの一生思いつかんわ!」と思いつつ、早速 CodeX で開発をしています。

あとは、現在は学習が完了したカレンダーの日付に私が作った(正確には AI が作った)ロゴのおにぎりアイコンがついていますが、「自分が好きなキャラクターのスタンプをつけてくれたらもっと頑張れる」とも言われました。やっぱり IP って強いのってこういうところの展開もあるからなんだなとしみじみ感じました。たとえば100日連続達成したら超レアスタンプつくとか。

ちなみに、サービス名とロゴが「Onigiri」なのは、仕事のランチタイムにおにぎりを食べながらチマチマ開発をしていたからです。

課題

とはいえ課題もあります。

API は思ったより高額

月額課金で利用する ChatGTP や Gemini などと違い、API は従量課金制なので、思ったよりコストがかかっています。頑張って無駄な生成をやめたりしているものの、ユーザーごとにユニークな問題と解説をバンバン生成していると、けっこう API 費用が積み上がってくるんですよね。特に推論モデルとか使おうものなら、どんどん課金されていきます。まあ今はユーザー数が1だからいいですが、これが増えていくとどうしたものかと思っています。

個人情報保護法がめんどくさい

そんな人がいるかわかりませんが、もし興味ある人がいたらサービスを使ってもらえればと思ってはいるのですが、このサービスにはログイン機構やメールアドレスの登録機能があるので、公開するためには一応法令上は個人情報取扱事業者として名前とか住所とか公開しないといけなくて、それは嫌だなと思い躊躇しています。法人を作ったり、まあ正直無視すればいいとは思いつつ、どうしたものかと悩んでいます。

ここからの展開

とはいえ、せっかく作ったので興味ある友人たちがいたら、少しずつなら使ってもらうのはいいかなと思っています。セキュリティリスクは避けたいので、CodeX や Gemini, Cloud Code でセキュリティ監査をなんどもやってもらって、堅牢性は担保していますが、Google Firebase がかなりの部分を担保してくれているのでそれなりに安心です。このあたりもテクノロジの進化だなと実感しています。

あとは、いまは小学生向けですが、実は裏側は高校生や社会人、算数だけじゃなくて科学や社会、あとは日本語以外にも対応できるようにしているので、そういうのも悪くないなと思っています。

とりあえず、小学4, 5年生くらいのお子さんがいる友人たちに興味があれば使ってもらうところから始めてみようかと思っています。

やっぱり、何かを作って面白いや!


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