Shoho Kozawa

May 8, 2021

How can I help you?

もちろん「いらっしゃいませ」というような意味もありますが、今日はその話ではありません。

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この「How can I help you?」という質問、今の会社で驚くほど出てくるのです。仕事がうまくいってない時、キャリアの話をした時、子供ができた、介護をしているなど家族の話題をした時、子育ての時、いろいろな場面でこの「How can I help you?」が出てきます。

日本語にすると「どのように助けられますか?」もっとフランクに言えば「なんかできることある?」に近いような気がします。

この質問が驚くほどパワフルなのです。

この質問の最大の利点は、相手が本当にやってほしいことをできることにあります。

ある事実を聞いたときに、こちらからソリューションを提案するのではなく、相手に「今助けてほしいこと」「今やってほしいこと」を明確に聞くことで、「本当にやってほしい事はそれじゃない」というミスマッチを可能な限り減らすことができます。

あることを伝えられたときに、こちらから良かれと思ってある提案をしたとします(よくありがちなことです)。それが相手がほんとにやってほしいことではなく3番目にやってほしいことだったと想像してください。何もしてもらわないより、その提案を受け入れた方がメリットはある、しかし本当にやってほしい事はその他にあるのです。

この状態の時に、「提案ありがとう。だけど本当にやってほしい事はこれなんだ」と伝えられれば良いのですが、例えば会社の中など多くの人が関わる場面、もしくは家族の間だったとしてもパートナーに負担をかけてしまうかもしれない場面、そんな場面でせっかく提案してきたことを断って、自分が本当にやってほしいことを明確に伝えられる事は思った以上に大変なことです。

このような心理状態の中で、3番目にやってほしいことを提案されると、大抵の場合「ありがとうございます。ぜひお願いします」と答えてしまいます。本当は、もっとお願いしたいこと(1番目と2番目にやってほしいこと)があったとしても、3番目の提案を受け入れてしまうんです。100%の回答ではなくても、妥協してしまう。

一方で、その提案をした人は、「自分の提案が、相手がやってほしいことの第1位だったんだ」ととんでもない勘違いをしてしまいます。そして自分の提案は素晴らしかったんだ、次も同じ提案をしよう、制度にしよう、勘違いに勘違いを重ねて自己満足してしまう。私も思い返すと何度も同じ過ちを繰り返してきた気がします。

実際の場面では、3番目ならまだ良い方で、300番目ということもあるように思えます。

相手が1番やってほしいことが残念ながらできない場合もあると思います。その場合は、その理由を説明して双方納得すれば、他にやってほしいことを確認すれば良いだけです。勝手に提案する必要などありません。

***

今年の4月から子供が小学校に入りました。新しい環境で、必ずしも毎日楽しく小学校に行けなかった4月のある日、子供が小学校に行きたくないと登校の途中で泣いてしまったことがありました。

その時に「オッケー、〇〇(娘の名前)のためにパパが今できる事は何かある?」と聞いたことがあります。その時の彼女の回答は「小学校に行くのをやめて、一緒に家まで帰って遊んでほしい」でした。残念ながらそれはできないのでそれを正直に伝えると、「パパと手をつないで、上履きが置いてある所まで一緒にいてほしい」というお願いが出てきました。

私が想像していた回答ではありませんでしたが、彼女にとってはそれがいま2番目にやって欲しいことだったようです。

彼女が今やってほしいことがあり、それを私が実行できる。であれば、それをただやればいいだけです。耳を傾ける。実現可能なら喜んで手を差し伸べる。上から目線の他の提案など大きなお世話です。

その、日彼女は少し泣いてしまいましたが、楽しく学校に行くことができました。

どうして欲しいのか?を考える必要性


当たり前ですが、「どうして欲しい?」という質問に答えるためには、自分の中に「どうしたいか?」そして「どうして欲しいか?」「何に困っているのか?」がぼんやりとでも必要です。

私が今の会社に入って印象的だったのは、キャリアの話題で自分がこの質問をされた時です。

それなりにおじさんになってくると、自分のキャリアについて「何をしたいか」は漠然とあっても「周りに(上司に)何をして欲しいか?」ということを考えたことなどありませんでした。そのような状況では 「How can I help you reach your career goals?」とその当時のマネージャーに聞かれた時にとっさに答えられませんでした。

この時学んだことは、

  • 自分のキャリアに自分で責任を持たないといけないこと。与えられた仕事を日々やって成果を出していたら、誰かが陰で見てくれていて、何かいいことが勝手に起きるなんてことは決してないこと。
  • 自分がやりたいことを実現するためのルールなんてないこと。夢があれば使えるものはなんでも使うべきなこと
  • 自分のために他人にやってほしいことを遠慮せずお願いしていいこと。そうやって多くのコラボレーションが行われていること

でした。

今考えれば至極当たり前のことで、私も偉そうにいろんな人にこの話をしますが、当時の私はこんなこともわかってませんでした。

誰かがありがたいことに手を差し伸べてくれようとした時、その手を掴むか掴まないか、掴めるか掴めないかは自分次第なのです。

***

「なんかできることはある?」という質問のパワフルさ。そう言われた時のために、準備をしておく大切さ。

最近いろいろなところで実感します。

お読みいただきありがとうございました😄

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