iPhone 13 が発売されたようです。昔は Apple の新製品は本当に当日まで何が出るのかわからなかったので、深夜にリアルタイムで発表会を見てましたが、今はほぼ事前にわかっているので、朝起きてニュースで確認しています。
僕が iPhone の発表があるたびに、いつも自戒を込めて見ているビデオが、日本に初めて iPhone が発売された時のNHKニュースです。
若い人は知らないかもしれませんが、初めて日本で iPhone が発売された今から15年くらい前、日本の携帯電話はほぼ全て日本メーカーのものでした。NECやパナソニック、SONYなどの家電メーカーが携帯会社と提携して携帯電話を作っていました。
僕が iPhone の発表があるたびに、いつも自戒を込めて見ているビデオが、日本に初めて iPhone が発売された時のNHKニュースです。
若い人は知らないかもしれませんが、初めて日本で iPhone が発売された今から15年くらい前、日本の携帯電話はほぼ全て日本メーカーのものでした。NECやパナソニック、SONYなどの家電メーカーが携帯会社と提携して携帯電話を作っていました。
iPhone 発売当時の流行はワンセグ。携帯電話からアンテナを立てて地上波テレビを見るというものです。当時は4Gの高速回線もなければ、YouTubeもほぼ存在を知られてない時代ですからそれがサラリーマンにウケてた。そして女子高生など若者にウケてたのが着うた市場。携帯電話は各社のドル箱製品であり、技術力を結集して携帯開発を行なっていました。
これも今となっては信じられませんが、iPhone は発売当時ソフトバンクの独占でした。docomo や au 回線では使えませんでした。それは孫正義社長が、その当時のスティーブ・ジョブズ含めたアップル経営陣と鬼の交渉をしたことに加えて、 Apple がキャリアに提示してきたビジネスモデルが、これまで当たり前だった仕入れて売るというモデルではなく、売れた後も一定金額を Apple に払い続けるレベニューシェア(今風に言えばサブスクモデル)だったからで、まさにこれまでのビジネスモデルも販売経路も根幹から考え直さなければならず、経営陣の断固たる決意と意思決定が必要でした。その未来を信じたのが孫正義だったからだとも言われています。
経緯はどうあれ、結果として iPhone を日本に初めて持ってきたのはその当時「繋がらない」とボロクソに言われていた最下位ソフトバンクでした。そこからソフトバンクが一気に攻勢をかけることになります。結局auでiPhoneが使えるようになったのは2011年、Docomoで使えるようになったのは、2013年、ソフトバンクが日本にiPhoneを持ってきて5年後のことです。
国内勢の反応
驚くかもしれませんが、シャープやNECは「脅威じゃない」と言ってたんですね。
https://japan.zdnet.com/amp/article/20375162/
いまとなれば笑うかもしれませんが、大真面目にこう答えてたわけです。おそらく本当にそう思っていたんだろうし、まさかとこれほどまでのスピードとは思っていなかったんでしょう。
ちなみに、この発言からNECが携帯電話事業から撤退するまでにかかった時間は、たった5年です。
そして液晶テレビ「アクオス」に、世界最大の液晶パネルを生産する「世界一の亀山工場」で一世を風靡したシャープは、携帯電話事業どころか、2016年に債務超過に陥り、台湾の鴻海精密工業に買収されて、いまは外資企業です。iPhoneが発売された2008年3月期には最高益だったにも関わらずです。
学ぶべきこと
我々がすべきことは、歴史を嘲笑うのではなく、歴史から学ぶことです。未来から当時を見れば、偉そうに言えることはたくさんありますが、その当時の自分が同じような未来を想像できたかと言うと、当たり前ですがそんなことは決してそんなことはありません。その当時の経営者は苦渋の決断を何度も迫られたと思います。しかし、イノベーションがグローバルで加速していく現代において、同じような現象は、いとも簡単に起こってしまうことが証明されたいい事例であり、その可能性はいつも頭の中で考えてないといけないと痛感します。
10年後にGoogleやAppleやAmazonやFacebookがなくなっている可能性は十分にあると思っています。いまはGoogleというだけでチヤホヤされることも正直ありますが、10年後には没落してても何も驚かないです。トヨタが没落して日本の自動車シェアーの半分をテスラが持つとか、はたまた中国の新興企業が持つ可能性だって十分にある。住宅メーカーが、どこかの会社の3Dプリンタの技術によって危機的状況になることだってあるかもしれない。液晶テレビ市場もかつて一世を風靡した日本メーカーは韓国メーカーに食われ、そしてその韓国メーカーは中国メーカーに食われている。
銀行などのファイナンス市場だって、これから世界のトップ企業が凄いテクノロジーと投資金額で高速に攻め込んでくるわけです。10年後には誰もキャッシュカードなんて持ってなくてもなんら不思議じゃありません。
世界がものすごい勢いで動いているときに、結局自分はどうなんだってことです。
遠くの海から転覆させられそうな波が来たら、急いで避けないといけないし、いい波が来れば準備して乗らないといけない。もしかしたら別のビーチに移動する決断もしないといけないかもしれない。
いつも自分のなかの選択肢の幅を広げておかないと、本当に明日は我が身だと思うのです。
10年後にGoogleやAppleやAmazonやFacebookがなくなっている可能性は十分にあると思っています。いまはGoogleというだけでチヤホヤされることも正直ありますが、10年後には没落してても何も驚かないです。トヨタが没落して日本の自動車シェアーの半分をテスラが持つとか、はたまた中国の新興企業が持つ可能性だって十分にある。住宅メーカーが、どこかの会社の3Dプリンタの技術によって危機的状況になることだってあるかもしれない。液晶テレビ市場もかつて一世を風靡した日本メーカーは韓国メーカーに食われ、そしてその韓国メーカーは中国メーカーに食われている。
銀行などのファイナンス市場だって、これから世界のトップ企業が凄いテクノロジーと投資金額で高速に攻め込んでくるわけです。10年後には誰もキャッシュカードなんて持ってなくてもなんら不思議じゃありません。
世界がものすごい勢いで動いているときに、結局自分はどうなんだってことです。
遠くの海から転覆させられそうな波が来たら、急いで避けないといけないし、いい波が来れば準備して乗らないといけない。もしかしたら別のビーチに移動する決断もしないといけないかもしれない。
いつも自分のなかの選択肢の幅を広げておかないと、本当に明日は我が身だと思うのです。