もうだいぶ前になりますが、テレビを見ていると矢沢永吉がこんなことを言っていました。
(38歳のラジオDJに対してゲストで訪れた50歳の矢沢栄吉が)「38?いいねー!38いいよ!でもね、38に贈ろうか、1つ、言葉。これはね、ラジオをやってる、やってない別だよ。これはおれの経験だから。これだけは教えとく。一番の敵は何か教えとくね。自分の中にある欲だよ。それが敵。敵であるし、すごく大事なものである。なくてはいけない。欲がない奴はダメよ」
20代の時、もっと多くの経験をしたい、誰にも負けない知識と知恵をつけたい、どこででも生きていける力をつけたい、もっと働いて、もっと稼ぎたい、もっと自由なりたい、そう思って走り抜けてきました。自分よりイケてる人を見ると劣等感で落ち込みました。いつも何かに渇望してたし、自分もどうにかあの高いレベルに行きたい、あの世界を知りたい、そう思っていました。努力もしたし、多くの犠牲も払いました。周りからどう思われていたかはわかりませんが、自分はけっこう欲深い人間だと思います。
それから30代に入り、家族も持って、子供もできて、転職して、社会的にも安定して、気づけば38歳。
38歳になって、ふと気づくと、昔あれだけあった欲深さというものが、少しずつ薄くなっていました。昔はいつも感じていた渇望感みたいな気持ちが少しずつ薄れてきて、一方で今の幸せに対してスポットライトが当たる瞬間が多くなりました。家族ができて、広い家を建てて、のんびり仕事して、土日は子供と遊んで、夜は友人たちと美味しいワインを飲んで、いい会社に入って、それなりに評価してもらって、報酬は申し訳ないくらいもらって、もういいだろうと、もうこれ以上の成長を目指してどうするんだと、そんなことを考えることも多くなりました。
社会の基準やルール、あたりまえ、平均、難易度、そして自分の得意領域、苦手領域、好き、嫌い、そんなものがなんとなくわかり始めて、守るものが増えてくると、欲深さは現在の平穏と幸せを壊す破壊者になります。だから自分のなかにある防衛本能がそうさせているのかもしれません。
だけと、やっぱり自分は欲深くありたいと思っています。
欲を持ち続けている人は素敵です。
あえて夢ではなく欲と言う言葉を使っているのにもちょっとしたこだわりがあって、夢というと幸運が味方をしてくれれば達成できるかもしれない微かな可能性といったイメージがありますが、欲は自ら選び作り出すものだからです。
運命とは受け入れるものではなく、自ら選び作り出すものである、そんな言葉を信じてこれまで生きてきた自分にとっては、夢という言葉より、欲という生々しい言葉のほうが不思議としっくりきます。
きっと歳を取ると、欲を満たすこと以前に、欲を持つことにすら意識を向けないといけないのだろうと思います。そうじゃないと、自分のなかで欲がどんどんなくなってしまう。だからいろいろな人に会って、いろいろな話を聞いて、自分の知らない世界に興味を広げ続けようと思います。
欲を持っている人は素敵です。いつまでもそうありたいものです。
欲に溺れず、欲を持ち続けたいと思っています。
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