Shoho Kozawa

August 24, 2022

クアラルンプールに行ってきた

コロナから約2年半。ようやく海外旅行に来れました。今回はシンガポールとクアラルンプール(KL)に12日間ほど滞在しました。これまで世界いろいろ回ってきましたが、クアラルンプールはこれまで1度も行ったことがなくて、いろいろな人が「KLはいいよ」と話をしていたので、まず海外旅行のリハビリと言う意味で、アジアを、この中でもマレーシアを選びました。加えてこれまで何度も訪れていて多くの同僚が働いているシンガポールまで1時間なので、後半の5日間はシンガポールで過ごすことにしました。
クアラルンプール国際空港はクアラルンプールの中心地から車で1時間ほどのところにあります。シンガポールがチャンギ空港から30分ほど、タクシーで3000円くらいな事と比べると、決して良い立地とは言えません。むしろ到着してここから1時間もかかるのかと少しネガティブな気持ちになります。唯一の救いは、Grab (アジア版のUber) に乗って、たかだか2000円くらいでドアツードアでホテルまで行けるところくらいです。

クアラルンプールの空港からホテルまでの街並みを見ると、とにかく開発、開発、開発、開発で、本当にこれほどニーズがあるのかと疑ってしまうくらい高層ビルやコンドミニアムやショッピングセンターの建設ラッシュになっています。クアラルンプールの街中も、空港からクアラルンプールまでの広大な土地も、開発がどんどん進んでいます。人口が順調に伸び続け人口構成比における20代の割合が多いマレーシアでは、まさにこれから数十年で爆発的な発展が確約されているからと言えるのかもしれません。

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マレーシアでお酒は飲めるの?


マレー系のマレーシア国民はほぼ100%イスラム教なので、マレーシア国民の多くがイスラム教徒です。イスラム教はマレーシアの国教となっています。

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# 見学したピンクのモスク。多くの信者が訪れてました

イスラム教徒にはさまざまな戒律があり、代表的なものに「ハラル」(許されている) と言われるもの以外食べることができないというものがあります。地元のスーパーでは、基本的にハラルのものしかおいておらず、「ノンハラル」(禁じられている)のものは別のコーナーに置かれています。ホテルのビュッフェではベーコン(豚なのでノンハラル)はなく、かわりに鳥が置かれていました。

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「ノンハラル」の代表的なものといえばアルコールです。しかし、マレーシアで一切アルコールが飲めないかというとそういうわけではありません。スーパーやホテルでは、普通にアルコールが販売されています。ビールの値段は日本と変わりませんが、ワインやウィスキーなどはかなり割高です。

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一方で、レストランではそもそもアルコールを提供していないお店がかなりあります。スパイシーなマレー料理にビールは最高ですが、多くの店では置いていません。もちろんホテルや若者が行くようなお店、観光客向けの店やマレー系ではない方がやっている店(中華など)ではお酒を置いていることがありますが、ガイドブックに載っているような現地の人も来るお店に行くとアルコールを提供していないことが多くあります。

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# ホテルの前にあったダイニングバー。もちろんお酒を楽しめる

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#スチームボードという鍋で有名な中華料理店Hakka。鍋が最高に美味しくて2人前1800円くらい。ビールも当然飲める

急速な経済発展を遂げるマレーシア

マレーシアやシンガポールなど熱帯地域の国々では、日中はかなり暑いのでモール文化が発達をしています。とんでもない広さのモールが町中に溢れていて、日中はそこで買い物をしたりショッピングを楽しんだりすることが一般的です。モールの中に遊園地や映画館、室内公園、学校なんかがあり、昼間はそこで過ごします。ちなみに国民全体としてかなりキッズフレンドリーで、子供がいると手を振ってくれたり、話しかけてくれたり、サービスをしてくれたり、とても子育てがしやすい環境だと感じました。

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モールで買い物をしていると、現地の人たちが多く買い物をしていました。今考えると本当に大変失礼なイメージだと反省していますが、クアラルンプールに来る前までは、クアラルンプールでそのようなモールや高級スーパーを利用しているのはてっきり駐在員や外国人ばかりかと思っていました。しかし実際は多くの現地の人たちが、日本と変わらない金額の化粧品を買ったり食品を買ったりしていました。500円ほどするスターバックスのラテを楽しそうに友人と飲んでいる若者たちも数多くみました。もちろん月収数万円ほどで生活をしている人もまだまだ数多くいると思いますが、いわゆる中流と呼ばれる、休みの日になれば家族でショッピングモールに出かけて、フードコートで外食を楽しみ、友達とスタバを飲みながらおしゃべりできるような経済レベルの人たちはKLでは日に日に増えているんだろうと実感します。

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一方で、まだまだタクシー(Grab)やホテルは日本の1/4くらいです。今回はウェスティンのスイートルームに泊まりましたが、1泊1万円ほどでした。5つ星ホテルは大体1泊12,000円、リッツカールトンは世界で一番安いと言われています。

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#今回7泊した部屋。朝食と無料のハッピーアワー付きで1泊1万円

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#地元の人も大勢訪れる Yut Kee。これで約800円

クアラルンプールの平均年収を調べてみると、平均3000RM、日本円に換算して100万円ほど、中央値で4300RM、日本円に換算して130万円ほどのようです。おそらくクアラルンプール中心でホワイトワーカーとして働く人たちはもう少し高くて、平均年収150-200万円ほど、夫婦共働きが当たり前なので世帯年収で考えると300-400万円くらいかと思います。2022年には最低賃金が25%上げられ、現在の給与上昇が年率3-5%ほどなことを考えると、クアラルンプールの都市部だけで考えれば、もうあと5-10年すれば少し前のシンガポールくらいまでは成長して、実感はほぼ日本と変わらない、割安と言ってもあまり差はなくなりそうです。

参考: 東南ア、人件費増加の波 マレーシアも最低賃金引き上げ

みなさんご存知ビックマック指数を見ると、マレーシアは日本とほぼ変わりません。シンガポールははるかに上です。

  • 🇲🇾マレーシア 338円
  • 🇯🇵日本 390円
  • 🇸🇬シンガポール 585円
  • 🇺🇸アメリカ 710円

ちなみに、こちらは次に訪れたシンガポールのスターバックスの料金表です。現在の S$1 = 97円で換算すると、トールラテが620円、トールキャラメルマキアートは700円です。

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Grab の凄さ

クアラルンプールで生きていくために必ず必要なものがGrabです。昔はGrabと言えばUBERのアジア版というイメージだったと思いますが、今はライドシェア以外にレストランの食事やコンビニ、様々なお店のものを運んでくれるサービスや、PayPayのようにQRコード決済で支払いができるサービスなどもGrabで提供されています。

特に便利なのが商品の配達サービスです。困ったら1品から配達してくれて、配送料も100-200円なので夜にホテルでビールが足りなくなったり、夜食が欲しくなったら全てGrabで頼みました。大衆店やコンビニだけではなく、ショッピングモールに入ってるような高級店でも Grab よる商品の配達を受け入れているところが多くあります。地元でお医者さんにかかると、自宅から遠隔治療を受け、処方箋薬はその日のうちにGrabで届けられるそうです。むしろ日本なんかより、遥かに発達しています。

参考: gojekとGrab、そのUberを凌駕する事業戦略——アジアのスーパーアプリ、これまでと今後【ゲスト寄稿】

マレーシアで当たり前に展開している日本企業の凄さ

マレーシアに来て最も驚いたことの1つが、とにかく日本企業は数多く出店をしていることです。それも、ただモールに数店舗が出店しているだけではなく、ららぽーとがそのまま現地で展開されていたり、三井ショッピングパークのアウトレットモールがクアラルンプール国際空港の近くに大きく展開をしていたりします。イオンは日本の高級スーパーと言う位置づけではなく、現地では60店舗以上展開をしているまさに地元に根付いたスーパーマーケットとなっています。その他にもユニクロ、無印良品、銀だこ、ニトリ、ドン・キホーテ、紀伊国屋、ファミリーマート、挙げればキリがないほどの企業が日本から展開していました。

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インターネットの世界にいると、海外で事業展開することの難しさを実感します。言語の問題や文化の問題など解決しないといけないことが山積みです。しかし、リアルに目を向けてみると、もちろん多くの失敗があるものの、多くの日本企業や日本のブランドがアジア地域で着実に展開をしていることに驚くばかりです。

今回、実は今回の旅行には現地に支店を持っている日本の某大手企業に勤める友人も同行していました。彼の会社は、日本企業がアジアに展開するときの手助けをしていて、マレーシアに支店を出したのはなんと20年も前です。

彼が勤める会社の現地法人で働く方ともランチを一緒にしたときに「どんな企業がここで成功するんですか?成功する企業と失敗する企業の違いってあるんですか?」と聞いたときの答えがとても印象的でした。

彼は、成功した企業は、どこもやっぱりその土地の文化や風習を理解しようとしていると断言していました。日本での成功体験や自分たちの価値観を捨てて、多様性をもってその土地に合わせて柔軟に変化できている会社は成功しているようです。

たとえば数年前、ジャパンストリートとか名付けてとりあえず日本のラーメン屋とかを並べただけの施設がポコポコできたそうです。残念ながら、その施設の多くは、もう潰れたそうです。日本にあるものをそのまま持ってきて、日本の劣化版コピーを作っても流行るわけないといいます。たとえばドンキホーテも、一風堂も、めちゃめちゃ現地に合わせてアジャストさせてます。「ドンキホーテなんて、あの雑多な感じが強みですなんて日本では言ってますが、海外のドンキホーテは全然違いますからね」と彼は言っていたのが印象的でした。

ラーメン屋の一風堂は、シンガポールではアイスクリームを売り、居酒屋メニューを出します。ラーメンは2400円です。決算報告資料を見てみると、海外事業は順調に成長しているようです。

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旅に出ると、こうやって日頃考えもしないことを考えることになります。そういう刺激のシャワーはリモートや本では難しく、やっぱりそこで時間を過ごすことが何より大切なんだと思います。

クアラルンプールは素晴らしい街でした。また近いうちに戻ってきます!

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お読みいただきありがとうございました😀

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