Shoho Kozawa

March 4, 2021

もしあなたが野球選手だったら

(この投稿は2011年に書いたもののコピーです)

ぼくのチームに少し遅れて新卒が入ってきました。エンジニアです。

最近のぼくの朝は、彼の日報をチェックしてそれに対してコメントを書くところから始まります。書く内容は、ぼくが彼に期待していることやこういう考えを持ってほしいということを毎日耳にタコができるかのように書くという、読んでいる方からすると「またかよー」という内容のものです(笑)ただ大切なのでそれでいいんです。気にしません。

さて、今日はその話題についてちょっとだけ書きたいと思います。この内容を彼が本当に理解し、実行できれば、日報には次のステージの内容を書こうかなと思います。そのレベルになったらもはや日報では書けない話題などもあるので、飲みながら話そうと思います。はやくそうなってほしいと願っています。そしてこれを読んでいるルーキーの人たちや、学生の人たちにも参考になればよいと思います。

新卒というのはいろんなことを覚えないといけません。結果も出さないといけません。仕事に対する姿勢みたいなものも先輩によってそれぞれだと思います。結局どうしないといけないのかという悩みに苛まれます。

けれども、いつものとおりシンプルにこう考えてみましょう?

「もし、あなたが野球選手だったら」

新卒で入ってくるというのは、ドラフトにかかって、もしくは逆指名をしてチームに入ってくるということです。あなたはドラフト1位かもしれませんし、育成選手として入団したかもしれません。けれども残念ながらどのような経緯で入団したのかと、そのあとの野球人生が成功するのかはあまり関係ありません。もちろん期待されて入って結果を残す選手もいますが、そうじゃない人もいます。なのでまずは全部捨てることです。あなたがどんな経緯で入ってこようが関係ありません。

ではルーキーとしてまず始めに何を目指すべきでしょうか?

これはたぶんみんな同じ「開幕一軍」だと思います。

まずは一軍に残らないとお話になりません。サラリーマンの世界では1軍、2軍という切り分けは明確にはありませんが、1軍として求められることを言えば、毎日遅刻せずにきちんと会社に来るということです。挨拶をするということです。電話を取るということです。人の話を聞くということです。感謝をするということです。まずこれができないと残念ながら2軍です。

じゃあ晴れて1軍に残ったらあなたは次は何を目指すでしょうか?おそらく「レギュラー定着」でしょう。

ルーキーでレギュラーになるためには何が必要だと思いますか?まずはこれがあなたに最も必要なことですよね。それはずばり結果です。与えられたチャンスできちんと打つこと。チャンスを与えてもらうためには、毎日まじめに練習に参加して、監督にアピールしないとダメです。だからまずはチャンスをもらうこと、そのためにきちんと練習に万全の体調で来て、与えられたメニューをきちんとこなすこと。ただ、これはあくまでチャンスをもらうためにやることで、目的は結果を残すことです。

これってわかっている人は実はけっこう少ない。仕事に対してがむしゃらにやるというのは、がむしゃらにやることが目的なのではなくて、あくまで結果を残すことが目的なわけです。結果が伴わなければ、監督は使えません。いくら練習しててもです。だからチャンスをつかみ、結果を残す。これがまずはあなたがすべきことです

もちろん結果さえ残せば、どんなやり方でもいいわけではありません。必要な失敗や、不必要な結果、無意味な結果もあります。他人を蹴落としてつかんだ結果や、不誠実なこと、道理に反することをして得られた結果に意味があるとは思えません。目の前の結果という小さな果実に目が眩んで、大きな道から外れることはあってはならないことです。

あなたのチャンスというのはどこにあるかというと、目の前の目標です。だから四の五の言わずに目標に対してやれということです。そして結果を出す。そうすると次のチャンスが巡ってきます。いままで5試合に1回しかチャンスをもらえなかったのに、3試合に1回になり、ここぞという場面に使ってもらえるようになる。そして結果を出す。

くどいようですが、もう一度言います。チャンスをつかむ、結果を出す。結果を出せばチャンスがもらえる。そして結果を出す。この繰り返しです

正直その他はどうでもいいと思います。3日間徹夜してもいい、3日間飲みまくってもいいです。学校じゃないから、ちゃんと結果を出してくれればそれで問題ありません。けども結果が出なければがんばるしかないですよね。野球選手だって結果が出なければ休日返上で特打をするし、走り込みをしたり、体のメンテナンスをしたりする訳です。時にはコーチに相談することもあるでしょう。だから結果が出ないのであれば、結果を出すためにがんばってください。このがんばるという言葉は、あまり好きではないですが、がんばるしかないです。そして得てして新卒というのはうまくいかないものです。だから結局は物量でカバーしなければいけない期間があるわけです。別に苦労せずに結果が始めから出せるスーパーマンみたいな人だったらいいですが、だいたいの人は凡人な訳で、そしたらある程度物理的な時間をかけて結果を作っていくプロセスは避けることはできないと思います。結果が出てないのに、外車で遊びまくる野球選手はどうでしょう?結局そういうことなんです。たとえオフだったとしても、それでレギュラーが取れる訳がない。こういう人の行き着く先はどこでしょうか?たくさんの有望だと言われきた選手が戦力外になりました。だから、時間とか効率とか働き方とか、言い始めたらきりがないですが、全部どうでもいいから、とにかく結果を出しましょう。

こうやって信頼と結果の両方を積み上げて行くと、チームの中であなたの色が生まれてきます。強みと言い換えてもいいでしょう。これが初めてレギュラーをつかんだ瞬間です。ここまでがんばりましょう。まずはここまでです。勘違いしてはいけないのはキャラではありません。あくまで実績にともなう結果と、その再現性からでてくる色です。この色をまずはつかんでください。

何をすればいいかは明確です。まずはちゃんと会社に毎日来て、当たり前のことを当たり前のようにやる。挨拶をする。電話を取る。簡単でしょ?そしてチャンスをもらう。チャンスに結果で答える。そしたらまたチャンスがもらえます。そしたらそれにまた結果で答える。

ぼくらもだてにマネージメントをしているわけじゃないので、表面のがんばりにはごまかされません。目立つ必要はありません。全員ちゃんと見てます。ちゃんと見てるから、ちゃんと結果を出してください。そしたら次のチャンスが自ずとやってきます。

そうそう、と読んでいたルーキーを卒業した人もいると思うので、その人たち向けの話は次にしようと思います。

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