Shoho Kozawa

October 22, 2021

世論調査の不思議

NHKや各マスメディアから毎月発表される数値に内閣支持率と言うものがあります。これは、日本国民の有権者のうち、どの程度が現在の内閣を支持しているのか?を表す数値です。

この数値を出すために、各マスコミは、約2000〜3000人の人たちに電話でアンケートをとり、その結果を内閣支持率として発表しています。

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このような調査において、対象となる人たち全員のことを母集団といいます。例えば内閣支持率であれば、日本の有権者全員(約1億人)と言うことになります。

一方で、実際に調査を行う際には、母集団全員に調査をかける事はなく、統計的に有意な数のサンプルを集めて調査を行います。この抽出されたサンプルのことを標本といいます。私たちが毎月見ている内閣支持率は、実際のところ標本の集団がどの程度内閣を支持しているのかという値であり、正確には日本国民全員の数字を表しているわけではありません。

では、どうして2000〜3000人の結果で、日本の有権者約1億人の動向をモニタリングできるのでしょうか?それは、標本に何人入れれば、ほぼ間違いなく母集団全体の傾向を表すことができるのか?と言うことを数学的に導き出すことができるからです。

詳しい計算は割愛しますが、例えば内閣支持率のような母集団1億人を対象にした調査であれば、たかだか2000〜3000人をサンプリングして調査すれば、ほぼ大外れしない結果を得ることができるということが、数学的にわかっています。内閣支持率の場合、仮に頑張って母集団全員(この場合は1億人)にアンケートをとっても、95%の確率でサンプリングした結果±3%程度に落ち着きます。つまり、調査コストを大幅に下げてほぼ同一のデータを得ることができるわけです。統計学はすごい!

自分の分身がいる?

例えば、内閣支持率調査の電話がかかってきて(実際この前かかってきました)回答した場合、それはあなたの回答ではなく1億人を2000人に圧縮した1人の回答と言うことになります。つまり1億人に割り戻せば、その回答は50,000人分に相当します。言ってみれば50,000人の分身がいるようなものです。

もし何かのニュースに反応して、あなたが支持・不支持を変えようかなと思った時、それは簡単に言えば、あなた以外に50,000人が同じようなことを思っていると言うことです。

価値ある1票

1億人分のうち、自分の1票と考えると、あまりに無力ですが、あなたがニュースを見て、熟考して1票を投じれば、それは統計的に言えば50,000人くらいが同じことを思っているかもしれない、あなたが「自分1人くらい投票しなくてもいいか」と思ったら50,000人がそう思ってるかもしれない。もちろん母集団の細かな分布によっては、そのようにならないこともありますが、そうやって考えれば、自分の価値が少しくらいら高く感じられる気がします。



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