Shoho Kozawa

May 10, 2023

新人を育てるときに大切にしている1つのこと

この記事は2014年に書いて別のところで公開していたものをコピーしたものです

今月から久しぶりに新卒のOJTを担当しています。

新卒に対してのメッセージはここにすべて書いたので、よければ読んでほしいなと思います。

今日は新卒の子ではなく、新卒の子を受け持つOJTの人に向けた話です。

小澤さんはどうやって人を成長させているのですか?などとよく聞かれますが、それは問いが間違っています。成長するのは新卒の子であって、OJTや先輩が成長させているわけではありません。「先輩が成長させているのではなく、本人が成長しているだけだ」ということです。

一方でこれは新卒の子にも同じ話が言えます。レールが引かれてその上を走ると何かが起きるわけではありません。「先輩が成長させるのではなく、あなたが自分で成長するのだ」ということです。

人を成長させる仕事はワクワクします。どんな人に育てようか?この価値観は大切にしてほしい、こういうことをできるようになってほしい。たくさんの夢や希望を持って受け入れることでしょう。あまり読んだこともなかったマネージメント論の本をたくさん読んで、週に何度も面談をして、もしかしたら毎日振り返りをするかもしれません。

けれども本当にそれが大切なのでしょうか?

お膳立てされて作られた育成プログラムより、目の前の先輩との差、絶望感、劣等感、自分が今まで見てきた世界と全く違うレベルの世界、それを見て感じたこと、考えたこと、少しでも近づきたいという欲望のほうが、よっぽど人を育てるのではないかと思うんです。

だから人を育てるときに本当に必要なのは、OJTの先輩が気にせず前を全力で走ることじゃないかと思います。あえてスピードを落として伴走してあげるのではなく、とにかく前に進むことじゃないかと。その「圧倒的な差」こそが、その人にいろいろな問いを投げかけるはずです。何かできることがないか?何が違うのか?どうしたら少しでも差が縮まるのか?と。

そして、できればたくさんのところに連れていくこと、たくさんの人に会わせること。役職や職種に関係なく同行させる。じっと目を開けて見てもらう。感じてもらう。話し方、立ち振る舞い方、その空気すべてを感じてもらう。作られた経験ではなく、前を走る者の空気すべてを感じてもらう。

そして1日の最後に、少しだけその人の横に寄り添う時間を作ってあげること。もしかしたら10分で終わる日もあれば、2時間質問されるときもあるかもしれません。それでいいのだと思います。本人が聞きたいことがあれば聞く時間を少しだけ作ってあげること。

だから1つだけアドバイスするとすれば、「とりあえず放っといて全力で仕事しろ!」ということです。あまり気にかけず普通に仕事をすればいい。

あなたの普段の100個の仕事のうち、はじめ1つか2つやらせてみる。それでいいのではないかと思います。当然はじめは暇でしょう。仕事をしたいのに、やる気バリバリなのに仕事がもらえない。その仕事へ渇望感が大切なのではないかと思うのです。入社したらはじめから仕事があるなんて思ってもらっては困る。もらった小さな仕事、小さなチャンスから自分で枝葉をつけて大きな仕事に自分でしていく。頼まれたことだけをするのではなく、そこから派生して出てくる様々な疑問や課題や知るべき背景、やるべきことを1つ1つ探して解決する。それこそがもっとも大切なことなのではないかと思います。

当然、これは個人の意識や能力に大きく左右されるので、成長に個人差が生まれます。早い人もいれば、遅い人もいる。それは悪いことでしょうか?残念なことに、時々本人よりOJTのほうが焦っていることもあるようです。

「とりあえず落ち着いて待て!」

たしかに不安かもしれません。けれどもじっと待つんです。ほんの少しの仕事を与えて、あとは仕事をしましょう。もし人と会うことがあれば連れて行ってあげてください。そしてよければ1日ちょっとだけまとまった時間をとってあげてください。それだけでいいと思います。それが一番の近道だと思います。

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