Shoho Kozawa

February 7, 2024

小学3年生の娘がインターナショナルスクールに編入することになりました

この2ヶ月位でいろいろあり、次の4月から公立の小学校を辞めて、インターナショナルスクールに編入することになりました。まさか自分の子供がインターナショナルスクールに行くことになるなんて全く想定をしていませんでしたが、今回このような大きな決断をすることになりました。

今回行く学校は、途中1年間の留学を挟んで高校までエスカレーターなので、今回の決断で娘は中学受験どころか、きっと高校受験もない中で育っていくことになります(もちろん途中で別の学校に編入したいとか、日本の学校に戻りたいとかある可能性はありますが)。大学もきっと自分で調べて、どこか海外の大学に行くでしょう。そう考えると、もしかしたらもう子育てはほぼ終わったのかもしれないなと慨深い気持ちになります。僕がこれからできることは、せいぜいインターナショナルスクールの高額な学費を安定して稼ぎ続けることくらいです(笑)

9歳で子育て第2章(最終章かも)終わり!

きっかけ

僕がグーグルで働いている姿を小さな時から見ていたからか、小さい時から海外を連れ回していたからか、今思えば娘は小さい時から他言語や国際文化にすんなり興味を示してくれていたように思います。
小学校に入ると、学校に併設している学童ではなく、そこから10分ほどのところにある英語の学童に通うようになりました。その学童は今でもすごく気に入っていて、学校を休んでも学童は行きたいというくらいです。この学童があったことは、渋谷から引越しをして最も良かったことの1つです。小学校1年生の時は ABCが書ける程度で、文法は(今でもそうですが)もちろんわからず、単語も色や食べ物を知っている程度でした。しかし、3年間週5日英語にコツコツ触れていると少しずつ英語が上達してきて、小学校3年生になると少し難しい文章を読んだり、発音も明らかに向上しているように見えました。去年7月にはシンガポールのサマースクールにも行ってみました。とても気に入ったようで、「また行きたい」「住みたい」と言われるようになりました。今振り返ると、このシンガポールでの生活が、今回の決断の決め手だったようにも思います。

そんな中で小学校3年生になり、中学受験の話があちらこちらで聞かれるようになりました。我が家でも、「中学受験をどうするのか?」「公立中学に行かせるのか?」といった話題がホットトピックになってきました。周りの友達も中学受験用の塾に行き始めたり、今まで一緒に学童に通っていた友達が塾に行くために学童を辞めたり、子供自身も中学受験、中学進学を意識する年になりました。

いろいろ情報を集める中で(主にやったのは妻ですが)いちおう子供にどんな中学校に行きたいか聞いたところ、比較的本気で

「英語の中学校に行きたい」

と言われました。去年の秋でした。

現実は厳しいぞ

日本で英語の中学校というと、やはりインターナショナルスクールということになります。娘の意思は最大限に尊重したい気持ちがもちろんありますが、どれだけ他言語や国際文化への興味があっても、中学生からインターナショナルスクールへの編入は現実的にそう簡単ではありません。そもそもの英語力が足りません。

たしかに英語の学童には言っていますが、日本で暮らし、日本の学校に行き、友達はみんな日本人と言う環境なので、英語が喋れると言うほどには程遠く、周りの小学生よりはほんの少しだけわかる程度の英語力です。もちろん英語に興味はあるようだし、自分の中では周りの子供たちよりはできるので嬉しそうに英語の話をしますが、英語力をフラットに見ると、とてもじゃないですがインターナショナルスクールに入れるような英語力ではありません。英語で歴史や科学や数学を学ぶなんて想像すらできません。

中学校からインターナショナルスクールに入ることはほぼ不可能だろうなというのが直感でしたし、その後子供をインターナショナルスクールに通わせてる数名の同僚に話しても同じ反応でした。もし本当に英語の中学校に行く唯一の道があるとすれば、自分が日本以外のオフィスに異動するか、中学から海外留学だろうなと思っていました。

だけどその一方で同僚と話していると、今なら、この小学4年生になるタイミングなら、もしかしたらギリギリ(本当にギリギリ)何とか英語教育に間に合うかもしれないとも思い始めてきました。いまのお友達とは別れるけどどうだろうか?そんな中で、全く想定をしていなかったインターナショナルスクールへの小学4年編入の可能性を探しを始めることになりました。

そもそも小学4年生からインターナショナルスクールに入れられるのか?

まずインターナショナルスクールに小学4年生から入れるために必要なことを調べました。

まずはやはり英語力。

幼稚園や小学校1年生であれば、それほど高い英語力じゃなくても受け入れてくれる学校はあるようですが、小学校4年生からの編入となると、多くの学校で子供の英語力はほぼネイティブレベルで必須です。英語を学ぶわけではなく、英語で様々なことを学ぶわけなので、英語はできて当然なのです。それに加えて多くのインターナショナルスクールは保護者にも英語力を求めてきます。学校とのコミュニケーションも全て英語だからです。

次に高額な学費。

この学校は年間どんなに少なくても諸々で年間2-300万円くらいはかかります。それにサマーキャンプやウィンターキャンプ、数年経てば海外留学が入ります。もちろんもっと高額な学校もたくさんあります。

そして国籍。

実は多くのインターナショナルスクールでは日本人の受け入れ人数に制限をかけています。空き枠があっても、日本国籍の人を受け入れない学校が多くあるのです。かなりの経済力があり、子供も親も英語ができても、日本人枠が空いてないと面接すら受けられないということがわかりました。なかなか前途多難です。

インターナショナルスクールの教育

まだあります。仮に英語力と経済力と日本人枠問題をパスしたとしても、もちろんどこでもいいわけではありません。もちろん教育内容は気になります。

インターナショナルスクールはいわゆる文部科学省の管轄している学校(インター界隈ではこれを一条校と言います。この言葉も初めて学びました)とは違い、民間の塾のような扱いなので、カリキュラムは学校によってまちまちです。学校の規模、教え方、カリキュラム、制度、全てが自由です。

例えば、国語や日本の歴史、日本の文化など一般的な日本の学校では教えることをあまり教えないインターナショナルスクールがある一方で、日本語や漢字、日本の歴史や日本の文化教育などに力を入れているインターナショナルスクールもあります。本当に学校によりまちまちです。

それから教育水準、教育内容は日本とかなり違います。

実は日本の小学校教育は世界トップクラス、インターナショナルスクールに通っている小学生と比べると、日本の小学生が身に付けている知識ははるかに上だと言われています。中学受験組となると驚くほどの知識を日本の小学校6年生は身に付けています。

逆にインターナショナルスクールは普通の授業をあまりしません。プレゼンテーションやディスカッションのような授業はあっても(もちろんそれが良くて入れるという人も多くいます)、知識を教えるいわゆる座学が一般的にはすごく少ないと言われています。教科という概念もあまりカチっと決まっていません。

インターナショナルスクールに子供を通わせている友人に話を聞いたところ、ある超有名なインターナショナルスクールは、小学校4年生まではほぼ授業をしないそうです。子供の自主性を最大限に尊重して、やりたいこと、興味のあることを毎日やる生活だそうです。たしかに一見良さそうですよね?子供のやりたいことをのびのびやれる学校は魅力的です。しかし現実はどうかというと、日本の学校に通っている周りの子供との差がどんどん開いていく我が子を目の当たりにします。「この年になってもこの計算ができないんだ…」「織田信長を知らないんだ…」中学受験組は電池の並列回路における電圧計算や、世界の穀物輸出量なんかの問題をスラスラ解くけど、うちの子は…そんなことが積み重なって、どんどん不安になってしまうそうなのです。自分がその立場でもそうなるかもしれません。

その名門インターナショナルスクールに通わせている日本人の親の一定数は、毎年小学4年生くらいになると周りとの差に耐えられなくなり、公立に戻して中学受験をさせるそうです。もちろんそれが悪いわけでは全くありません。ただ教育と言うのはほんとに難しいなと思いました。

とにかく確実に言える事は、インターナショナルスクールと日本の学校を比べることには何の意味もないし、比べるべきでもないということです。インターナショナルスクールに通わせるということは、親が受けてきた教育経験を捨てて、周りの子供と比較することもなく、その学校と、その学校の教育方針と、先生たちと、何より自分の子供のポテンシャル信じ続ける力が必要なんだと思います。

見つけた1つの学校

調べれば調べるほど入れる気がしない中で、それでも家から通える範囲で候補となる学校がないか調べました。

小学4年生から日本人を受け入れてくれて、英語力もそれほど求めず、親が納得する教育方針を持っている学校です。そんな都合の良い学校が簡単に見つかるはずもありません。ただ、そんな中で奇跡的に1つだけ可能性がありそうな学校を見つけました。

その学校は比較的新設校で、小学校高学年の生徒がまだ少ない学校でした。中等部と高等部はまだなく、これから新設されます。説明会を珍しく日本語でも行っていて、日本人でも比較的寛大に受け入れてくれる学校のようでした。

教育は国際バカロレア(IB)

その学校の教育方針は、国際バカロレアです。IBと言ったりします。

国際バカロレアと言うのは、ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムで、複雑性への対処や、知識探求などに重きを置いた教育が行われます。一定の教育水準を満たすと学校が国際バカロレア認定校の資格を取得することができ、そこの学生は、試験をパスして卒業すると国際バカロレア認定を得ることができます。これを取得すると、世界の多くの大学が入学資格を認めてくれるというものです。

実はインターナショナルスクールの教育方針が自由といっても、多くの学校では国際バカロレアなど国際的な認定プログラム基準で教育を行っています。超有名なアオバインターナショナルスクールや東京インターナショナルスクール、セント・メリーズ・インターナショナルスクールなども国際バカロレア認定校です。国際バカロレアは国際的にはかなり有名な国際教育標準で、日本でも文部科学省がIB教育推進コンソーシアムを作ったりして、これからおそらくどんどん増えていきます。

この学校も国際バカロレア(IB)でした。複雑性への取り組みだったり、正解がない問題に対する探求だったり、子供の選択肢を広げる教育だったり、僕や妻が考えていた教育方針とかなり一致するところが多くありました。IB校であれば、将来大学進学を考えた時も選択肢がそれなりに作れます。

それから学校の小ささ、新設校だというところも気に入りました。もちろん事例もデータも少ないけど、むしろ娘が前例になれるチャンスです。親も、先生も、みんな初体験の中で成長させていくのは新規事業っぽくて嫌いじゃない。

これはあるじゃないか?

そう思い、思い切って2週間後に説明会に行くことにしました。

全然違う

説明会当日。某所ビルの4フロアが学校です。お隣は某有名スポーツ選手で、お子さんは普通に英語を話してました。日本語の説明会なのに校長先生は当たり前のように英語で雑談してくるし、親も難なくそれに答えてる。なんとなくイメージしてたインターナショナルスクールの感じです。

インターナショナルスクールは民間企業なので、対応もさながら塾のようです。親は保護者と言う立場もありますが、顧客と言う立場でもあります。とても丁寧に質問に答えてくれました。学校の中にはいろいろな作品が掲示されてました。

説明会を聞いた感想は、当たり前なんですが今の公立小学校とは何もかもが違うということです。唯一わかった事は、とにかく違うということです。

だからやっぱり比べてはダメだ。

応募

学費は何とか頑張るとして、日本人枠もその学校であれば大丈夫との事。やはり最後の難関が英語力でした。

説明会のタイミングでは、正直に英語力は五分五分だと言われました。入学面接をしてダメな可能性も充分あると事前に言われていました。小学校2-3年であればサポートをつけて何とかなっても、小学校4年となると求めるレベルはかなり高いようです。そうは言っても受けてみないとわかりません。五分五分と言うのはポジティブに捉えれば半分は合格する可能性があるともいえます。とりあえず本当に編入するのかは受かって考えよう。くよくよ考えてもしょうがない。1番大切な娘の意思を確認して、受験料を払って、英語面接をお願いすることにしました。

今を生きろ

合格しました。

正確には、条件付き合格。入学したら費用はかかるけど英語サポートを必ずつけること。その条件付きでの合格でした。

やる前は人生を賭けたとんでもない大冒険だと思っても、多くのことは実際にやってみたら案外大したことなく、終わってしまえばなんてことなかったと思うものです。

もちろんいまの学童は大好きだけど、小学校の友達が増えてくると友達が行っている学校併設の普通の学童に行きたいと言われたこともありました。当然です。それでも小学1年生からコツコツ3年間学童に通い続けた娘の勝ちです。

合格が決まって、いよいよ決断の時。

友達たちと別れて少し離れた英語の学校に行くか、これまでと同じ地元の学校に行くか。僕も妻も本当にどっちを選んでもいいと思っていました。

娘の回答は、

「英語の学校に行きたい」

即決でした。

去年の秋に自分で口にした「英語の中学校に行きたい」から始まった物語は、どうやらハッピーエンドを迎えました。本人も4月を楽しみに待っているようです。親はいまから学費の心配ばかりしています(笑)頑張って働きます。

この決断が彼女の人生にとってどんな意味を持つかはわかりません。たぶんたいした意味は持たないと思います。というか、自分がそんなこと言ったことなんて、どうせ数年経てば忘れてるでしょう。もしくは、1年後くらいに公立に戻っているかもしれません。

だけど、それでいい。今を生きればいい。

全力で今を生きる娘の背中をほんの少しだけ押せたなら、親としてこれほど嬉しいことはありません。

Congratulations!

最後になりますが、今回お子さんをインターナショナルスクールに通わせている同僚にいろいろ相談に乗ってもらいました。みんな親身になっていろいろ教えてくれました。本当に感謝です。ありがとうございました!

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