Yuta Miyama

March 10, 2021

Translating the thoughts of Japanese Intellectual Giants: Hideo Kobayashi

宣長は、歴史の根底には文学があると考えたのです。歴史の根底には、自然科学者が考えている事実などありはしないのです。事実は自然にしかありません。歴史は人間の心なのです。科学者は、人の心を心理上の事実と言い、これを研究するのが心理学だと言いますが、宣長が歴史の扱うものは人間の心、情だとするのは、歴史は心理学で研究できるという意味ではない。 心理学は、人間の心を自然の事実なみに考え、これを心理上の事実と考えますが、人間の生きている心を、死んだ自然的事実と同じに考える事は出来ないのです。生きた情は、文学的、具体的な言葉によって全的に表現できるが、抽象的言語によって説明しても、その一部が理解できるに過ぎないのです。 小林秀雄. 学生との対話(新潮文庫) (Japanese E...
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